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40歳の退職予定者が、週3ぐらいの労働でセミリタイアを試みる。労働時間の拘束が少ない生活を目指すブログです。

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VTIに這い寄る伏兵、VIGについて考える

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今回はVIGについてアレコレ考えます。

キャピタルゲインとインカムゲインの両方ともに期待値の高い銘柄が個人的には好みなので、前々から少々気になっている存在でした。

30年以上に渡って、株価リターン年率5%以上で配当金年率が2%以上を継続し、かつパッシブ運用をしてくれる投資対象が望ましいと考えているので、「VIGって意外にイケるのでは?」となったわけです。

 

 

VIGのスペックを確認

名称がバンガード米国増配株式ETF(Vanguard Dividend Appreciation ETF)、ティッカーシンボルがVIGとなります。

経費率は0.06%と非常に低コストETFと言えますね。

組入上位10銘柄は以下の通り。

 

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保有は268銘柄となっていました。

VTI(4156銘柄)やVOO(512銘柄)と比べると少数精鋭だね。

連動する指標は、S&P US Dividend Growers Indexと記載されており、こちらの指標を調べてみると、「少なくとも10年連続で毎年一貫して配当を増やすという方針に従って設計」とあるので、少なくとも10年以上増配を継続している会社が対象のようです。

また、AT&Tやベライゾン、エクソンモービルなどの銘柄が含まれていないので財務状況が一定のレベルに満たない会社は除外、ということなのでしょう。

従って、10年以上増配をしている会社を掻き集めているのではなく、厳しい審査基準をクリアした選ばれた銘柄のみが在籍を許されているインデックスと言えますね。

 

分配金と増配率

分配金履歴を確認する。

ついでに前年比の増配率を算出し、米国株式市場平均(VTI)と比較してみよう。

 

VIG 増配率 VTI 増配率
2006 0.526   1.487  
2007 0.873 65.97% 1.298 -12.71%
2008 1.026 17.53% 1.256 -3.24%
2009 0.979 -4.58% 1.107 -11.86%
2010 1.048 7.05% 1.148 3.70%
2011 1.172 11.83% 1.233 7.40%
2012 1.41 20.31% 1.563 26.76%
2013 1.388 -1.56% 1.673 7.04%
2014 1.585 14.19% 1.869 11.72%
2015 1.819 14.76% 2.067 10.59%
2016 1.826 0.38% 2.215 7.16%
2017 1.919 5.09% 2.343 5.78%
2018 2.038 6.20% 2.605 11.18%
2019 2.134 4.71% 2.905 11.52%
2020 2.297 7.64% 2.769 -4.68%
2021 2.66 15.80% 2.930 5.81%
         
平均増配率   12.36%   5.08%

 

どうだろうか?

増配率に目を向けると優秀と言って良いでしょう。

コロナ禍の真っ只中にあっても分配金を輩出し続けたことが良く分かる。

サブプライムローン問題からリーマンショックの時期ですらこの数字なので、経済ショックにより株価急落が起きたとしても普段と変わらない分配金を期待できる、というのは素晴らしいと思います。

今後、平均して7%程度の増配が見込めるETFであれば選択肢の1つとしてアリではないかと考えます。少なくともVTIよりは期待値が大きいからね。

1株170ドル、分配金2.66ドルとすると年間分配率1.56%となり、この数字を起点として今後30年の分配率の変化を追ってみるとしよう。

毎年の増配率は7%で計算。

 

年数 分配率 年数 分配率
1 1.56% 16 4.30%
2 1.67% 17 4.61%
3 1.79% 18 4.93%
4 1.91% 19 5.27%
5 2.04% 20 5.64%
6 2.19% 21 6.04%
7 2.34% 22 6.46%
8 2.51% 23 6.91%
9 2.68% 24 7.40%
10 2.87% 25 7.91%
11 3.07% 26 8.47%
12 3.28% 27 9.06%
13 3.51% 28 9.69%
14 3.76% 29 10.37%
15 4.02% 30 11.10%

 

机上の空論、捕らぬ狸の皮算用とも言いますが都合の良い試算が出来たぞ。

これ起点が1.56%なので、この数字以下の分配率の株価で購入した際には成立しなくなるので、あしからず。

とは言え、今年買ったVIGが10年後に2.87%、20年後には5.64%、そして30年後11.10%まで分配率が伸びる、ということに対してある程度期待をしても良いと思う。

 

株価の推移

こちらも上記と同様に米国株式市場平均(VTI)と比較をする。

ついでにVYM(米国高配当株式ETF)を加えておく。

 

2021年

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VYMが躍進した年だったね。

いつもは冴えないくせに2021年は頑張っていた印象がある。

ハイテク株よりもバリュー株の方に買いが集まったのでしょうね。

2022年はどういう流れになるのかウオッチして行きたいね。

 

5年

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ちょっと長めになるとVYMが脱落してしまうな。

三日天下ならぬ一年天下、ですね。

天下は取ってないけど。

 

10年

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10年だとVIGが意外に悪いように思える。

過去のポートフォリオを知らないけれど、マイクロソフトが入っていなかったのかな?

「市場平均でいい」の一言に尽きるね。

 

長期間(2006年11月~)

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VYMに合わせたので設定来のパフォーマンスではありませんが、15年チャートとそれなりに長期間での株価推移となりますが、これだと本来の強みが出ていますね。

きちんとVTIに這い寄る運用結果をしている。

こうなると「VYMかぁ、あいつ良い奴だったよな」という意見が多くなるだろう。

これで上記の分配率を享受出来ているとすれば、市場平均をアウトパフォームしていても何もおかしくありません。

 

資産総額

個人的には結構重視をしている点です。

売買の回転率(流動性)に直結し、買いたい時に買えるし、売りたい時に売れる。

国内ETFの流動性の低さから米国ETFに切り換えた人も少なくないでしょう。

 

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1ドル114円で計算をすると、資産総額はおよそ7.7兆円ぐらいでしょうか?

eMAXIS Slim 米国株S&P500(9,200億円)や楽天・全米株式インデックス・ファンド(4,600億円)と比較をすると格差がやばい。

これが日本と米国における株式市場の差だね。

 

VIGの今後

何も2022年以降の展望を語ろうというわけではありません。

近い将来、ポートフォリオに入って来るであろう銘柄についてとなります。

 

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これらはdividend.comの情報です。

どちらも10年と記載がされていますので、2022年または2023年あたりにはVIGの構成銘柄入りに名を連ねることでしょう。

アップルとマスターカードが入って来るとなれば、ますますVIGの力強さに磨きが掛かりそうな予感です。まぁ、分配金についてはお察し下さい。

増配力は底上げされるであろうから何も問題はないだろう。

配当アリで優良企業を採用する現在のスタイルが今後も継続されるのであれば、10年後・20年後・30年後と長期になればなるほどにその恩恵を受けられるような気がするので、今のうちに種を仕込む必要があるね。

 

まとめ

結論、VIGは非常に優秀な米国ETFです。

キャピタルゲイン・インカムゲインの期待値が高く、運用コストが低い。

ETFとしての資産総額は文句なし。

仮に私が今から投資を始めるとしたら、「VTIとVIGを中心に積立をしよう」と思うぐらいに長期に渡り安定したリターンを期待することだろう。

これにエッセンスとしてQQQを加えれば、さらに良し。

VIGは未来の高配当ETFとしての期待値が高いので、コツコツ積立をしようかな~とか少々検討中です。

個別株で高配当銘柄保有はアルトリア・グループですでに懲りているので。

あと、来年はNISA口座で保有をしているVYMの売却年となり、その代わりを務めるETFがあれば買いたい気持ちもありますね。

そこで白羽の矢が立ったのがVIGとなるわけです。

VYMよりも分配金は低いですがキャピタルゲインの期待値が高い。

それで十分です。

今後の増配率次第で20年後には、その差がひっくり返りそうな気がするしね。

VIGの採用を真面目に考えたいと思います。

 

さいごに

最近の相場はNASDAQ偏重です。

GAFAMにNVIDIAとTESLAを加えた7銘柄が米国市場を牽引している。

GAFAMはGoogle、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftの頭文字を取った呼び名のことを指します。Facebookはその内MetaPlatformsに変わりそうですが、どうなるのでしょうね?

これらの銘柄にだけ投資をしていればOK、という流れが何時まで続くのか分かりませんが、このまま永遠に・・・ということにはならないでしょう。

QQQは勿論のこと、ETF・投資信託ともに人気の高いVTIやVOO、S&P500投信などは構成銘柄の上位は上記に挙げた7銘柄で占められています。

これらの銘柄が大きく下がる年があればネガティブな結果が待っている、ということです。

私もその被害を被ることになるので他人事ではありません。

私のポートフォリオはVTIとQQQで約70%を占めているのだから。

今回VIGを調べているうちにグロース株偏重になっているのでは?と考えるようになり、高配当・増配・バリュー株あたりに焦点を当てたETFを保持していた方が長期を見据えるとよりベターではないかと思い始めたわけです。

インデックス中心なのでそれほど痛手を受けないはずですが、用心するに越したことはありません。実際のところ、QQQだと48%ぐらいでVTIだと23%程度がグロース株7銘柄のウエイトとなる。

QQQは特に大きいですね。

騰がる時は頼もしい存在ですが、急落時には落ちるナイフに変わります。

保持しようと無手で捕まえようとすれば、すぐに血だらけになりそうだな。

QQQへの投資は引き続き変わりませんし、隙あらば買い増しをする予定ですがポートフォリオに占めるウエイトに気を付けながら、という前提を大事にしないとね。

2022年はVTIかVIGを買うことにしようかな。

とりあえずVYMを売却したら、VIGにスイッチをすることにします。