株価指数への投資において、「レバレッジETFとCFDでどちらが効果的に利益を得ることができるのか?」を考えていきたい。
以前の記事でレバレッジ運用もそんなに悪くないよってことを書きました。
「現物取引運用のレバレッジETF」と「証拠金取引運用のCFD」では長所と短所がそれぞれ異なるので、単純な比較は出来ませんが自身のリスク許容度に合わせて選択をすれば良いと思います。
レバレッジ運用の効果
私がGMOクリック証券を利用する予定ですので、取り扱いのある「S&P500」と「ナスダック100」を対象に考えます。
これは1年間の株価チャートになります。
- QQQ(ナスダック100) 36.24%
- SPY(S&P500) 22.97%
- TQQQ(ナスダック100の3倍レバレッジ) 127.75%
- SPXL(S&P500の3倍レバレッジ) 76.16%
S&P500のリターンでさえ20%超えなので、米国株式市場は絶好調と言える状態です。上昇時に効果的な結果を産み出すレバレッジETFにおいては「やらないと損だよ」レベルの利益を積み上げていることが分かりますね。
QQQとSPYをそれぞれ単純に3倍計算をしても、レバレッジETFのリターンに及ばないことから、損益にレバレッジを掛けるCFDよりもリターン効率が高いと言えます。
株価高騰時にはレバレッジETFを採用するべきでしょう。
もちろん、レバレッジを3倍以上掛けるなら、CFDの方が高リターンとなるのでリスクをガンガン掛けてOKな人はそうすれば良いと思います。
私は絶対にしないけどね。
レバレッジ3倍でさえ、急落30%の場面が到来すると、即座にロスカットされるぐらいに危険な状態となってしまいます。私の豆腐メンタルでは絶対に無理。
積立投資脳の私はのんびり投資をしたいからね。
レバレッジETFのデメリット
3倍以上のレバレッジなんて無理、無理、無理ってネガティブ発言をいましたが、ここでレバレッジETFの最大のデメリットについて触れておく。
- レバレッジETFは当日のリターンに3倍レバレッジを掛けるもの
- 中長期で見ると対象株価指数の3倍レバレッジとはならない
- 種別がブル(上げ)とベア(下げ)があり、それぞれ順張り時に有効となる
特徴を挙げると、こんな感じだけど「2」が特にやっかいで最大のデメリットだと個人的には思っています。
例を挙げてみる。
条件は、もともと株価100の株価指数が株価200に到達した時に急落が起こったとする。
株価指数は+100、3倍レバレッジETFは+500のリターンを得ている状態。
5年で見ると、QQQとTQQQのリターンが約5倍程度差がある為です。
株価指数が、200 → 118となっているので約40%の下落を想定しています。
見事に利益が吹っ飛んでいますね。
3倍レバレッジETFの方は、600 → 100なので約80%の下落になります。単純に3倍となっていないのが分かりますが、償還リスクに晒されることになるね。
運用会社が、「資産総額が-80%以上になったので、今月末に償還します」って対応をされる可能性が大きくなるってことだ。
その時には殆ど資産価値がない状態になっているでしょうね。
なので、利益確定をこまめに行うか、定期的に決済をするルールを自分であらかじめ決めておく必要がある。
レバレッジETFの長期運用目的の積立は厳禁だ。
CFDのデメリット
こちらも上記で説明したレバレッジETFと同様に長期運用に向いていない。レバレッジ自体が長期運用と噛み合わないからね。
CFDの場合は証拠金取引になるので、急落時には追証が発生する可能性があり、負債を抱えるリスクを内包していることが挙げられる。
なのでCFDは短期トレードを繰り返しながら、急落時にはポジションを持たないようにする運用が望ましいと考えます。それが判断できれば苦労しませんが。
あと、上記のチャートから見て取れますが、1年間以内の短期トレードをしていてもS&P500のリターンに対して3倍のレバレッジを掛けるより、SPXLを保有している方がリターンが高くなります。
では、レバレッジを3倍以上掛ければいいのでは?と思いそうですが、そうした場合20%~30%の下落でロスカットされる未来が待っているので安易な考えはNGですよ。
レバレッジ投資は少額から始められるのがメリットだと言われます。
私もその意見には同意しますが、安定して運用することを考えるとレバレッジ2倍程度が上限と見た方がいいです。
- 資金500万円で4倍レバレッジ
- 資金1000万円で2倍レバレッジ
保有している総額はどちらも約2000万円程度ですが、急落時のロスカットリスクは全然違います。後者の場合は余裕を持った資金管理をすることができるでしょうね。
証拠金取引によるレバレッジ投資は、「大リスク中リターン」に収束される、というのが私の結論になります。
結局のところ
どちらにも一長一短があるので、どちらがより有能なのかは人それぞれになりそうです。私はそもそもレバレッジが絡む投資はサテライト的な運用に留める予定でしたので、少額投資が可能なCFDの方を採用する予定です。
あと、円で取引ができるCFDは割とメリットだと思います。
レバレッジETFはドル建てとなり、それならVTIを買いたいってなりますからね。
円資産とドル資産で考えた場合でも、CFDの方が有効的に使えるかと。
資金に限りがあるので、S&P500だけ取引をすることになりそうだ。
現在、1単位約36万円なので、18万円で1単位購入すればレバレッジ2倍程度に収まる。
- 最大6単位とする。
- 月曜日にポジションを1単位取る
- 金曜日にプラスになっているポジションの決済をする
- 保有が6単位に達したら、マイナスが低いポジションを金曜日に損切りする
こんな感じのルールで行くとしよう。
週単位でのスイングトレードですね。6週連続マイナスが続かないことを前提にしているので、これが崩れたらぐだぐだします。
本音を言えば、ナスダック100の方を採用したいのですが、現在が100万円相当なので、このルールを適用すると1単位50万円になるので割と無理目です。
2つポジションを取るとレバレッジ2倍に到達するので、投機覚悟でレバレッジを3倍以上に引き上げることを考えないといけません。
サテライト運用なので、当たるも八卦当たらぬも八卦の精神で投機することも、ありよりのありなのかもしれない。とか記事を書きながら考えが変わってくる自分がいる。
メイン投資に安定性を求めるのは当たり前だけど、サテライト枠まで石橋を叩いて渡る必要はないのでは?総資産から見ると5%以下の資金(100万円)しか使う気ないし、もしも資金が溶けたら縁が無い投資手法だったと思えば、いい勉強代になるか。
よし、ナスダック100を前向きに検討することにします。
トレードの結果はブログ内で報告をしようと思いますので、CFD取引が気になっていた人にとって参考になれば幸いです。
最後に
何でFTSE100って人気なんだろうな?
Google先生に聞くと、高確率で配当金目当ての長期保有をおすすめされる。
レバレッジを2倍以内に収めれば、ロスカットリスクは大幅に減るから長期投資が可能であることは認めます。何でわざわざCFDで長期投資をする必要があるんだよ。
現物取引でもっと良い投資先なんていくらでもあると思うんだけどな。
1年 VTIとFTSE100
- VTI +21.52%
- FTSE100 +5.26%
3年 VTIとFTSE100
- VTI +41.13%
- FTSE100 +2.86%
5年 VTIとFTSE100
- VTI +63.64%
- FTSE100 +10.63%
10年 VTIとFTSE100
- VTI +210.36%
- FTSE100 +43.91%
米国株式市場平均との比較ですが、レバレッジ2倍で取引をしても相手になっていませんね。配当金は貰えるでしょうが、トータルリターンはボロ負けです。
長期投資は現物取引で投資をしましょう。
もっとも、常に市場平均に劣後した結果で構わないので配当金だけ欲しいって人は、そのまま続けてOKです。その場合でも、米国高配当株式ETFであるVYMやHDV、SPYDあたりを長期間保有する方がトータルリターンを考えると幸せになれると思いますが。