最近の米国株式市場は、いつになく好調状態をキープしており個人投資家たちがポジティブな思考の元、積極的に投資を行っている印象があります。
中でも、レバレッジを掛けた投資がより効果的だと判断しているようです。
ってことで今回は米国レバレッジETFについて考えてみます。
レバレッジETFの積立
私にはタイミング投資の才能がありませんので、自動的に定期投資が選択肢になります。
もし本気で取り組もうと考えるなら、NISAで月5~10万円分の定期積立をするでしょう。
実際にやる前の事前調査として、「S&P500に投資をするVOO」と「S&P500に3倍レバレッジを掛けて投資をするSPXL」を比較してから実行に移すとしよう。
S&P500指数
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出している米国の代表的な株価指数です。
ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している代表的な大型株500銘柄の株価から算出される、時価総額加重平均型株価指数となります。
VOO
S&P500指数のパフォーマンスへの連動を目指します。
大型株を投資対象とし、完全法を用いたパッシブ運用となります。
低経費(年率0.03%)によってトラッキングエラーを最小限に抑える。
バンガードホームページを見ると、このように書いてあります 。
※Morningstarより保有上位10銘柄を表示
純資産総額に占める上位10銘柄の割合が22.59%となっています。
SPXL
手数料および費用の前に、S&P500指数の300%の日次投資効果を目指します。
1日のベンチマークインデックスのリターンの300%を求める。
Direxionのホームページを見ると、毎日3倍のレバレッジで短期的なリターンを拡大するが、1日以上の期間においては3倍の収益を期待するべきではない、とあります。
長期間だとインデックス(S&P500指数)への追跡は期待できない模様。
なのでVOOを単純に3倍すれば良い、というETFではないですね。
S&P500とSPXLの騰落率を比べる
2018年1月5日 ~ 2019年12月27日(週足)の期間で騰落率を比べてみる。
この期間の選択理由として、対象の2年間は大きい調整があった時期なので上下に動きのある期間だったため直近での比較とした。
どうだろうか?正直、この動きの粗さにはついて行けないと思うわ。
週単位で見た時に、±10%以上の変動が周期的にあった時期になるので余計にそう感じるのかもしれないが。
リーマンショック時の動きを追えないSPXLが、同程度の経済ショックが起こった時にどのような反応をするのか気になりますね。
週単位で大きく下がっている時って3倍以上の動きをしている感じがあるので、S&P500が週単位で-20%程度下落する経済ショック時には-60%以上の下落を見せるのだろうか。
あと、繰上償還のリスクも付いてくる。これは資金不足で起こり得ることですが、3倍レバレッジETFが仮に-90%程度下落した際にどうなるのか分かりません。
やはり、私が採用する場合はポートフォリオの一部での運用に抑えるでしょうね。
まとめ
私のキャパではSPXLの積立は無理です。これが結論になりますね。
1000万円保有していて、S&P500指数が10%下落した時に300万円以上のマイナスになるとか平静を保っていられないと思う。
これが始めたての時だったら悲惨です。最初から300万円のマイナスを抱えた状態でスタートになるので、いきなりハードモード状態ですよ。
今はS&P500指数が好調だから悪い点が目立ちませんが、長期間保有すると大幅下落に巻き込まれる確率が上がるので、その時に売却する決断ができるのか?
私はこれまで通り、「一生保有する気のない銘柄は除外」の考えで行きます。
とは言え、ネタ目的でレバレッジETFを少額保有することがあると思いますので、その際は暖かい目で見守って下さると喜びます。
おまけ
あまり参考にならないかもだが、比較した2年間のリターンを残しておくことにする。
VOO
- 2018年1月5日 251.25ドル
- 2020年12月27日 296.67ドル
2年間(週足)のリターンは、18.08%
SPXL
- 2018年1月5日 47.45ドル
- 2019年12月27日 66.74ドル
2年間(週足)のリターンは、40.65%
リターンだけに目を向けると、SPXL全振りで問題ないなとか思いそうだな。
「S&P500指数が盤石投資なら、より利益を追求できるSPXLが最強ETFだ」とか極端な考えに至らないとは思いますが、もしそうであれば暴落時に安くない代償を強制的に支払う事になりますのでお勧めはしません。
もし、レバレッジ投資を取り入れる場合は自身のアセットロケーションと相談して、取れるリスクを把握してから実行に移しましょう。